保育園より

今夜の取り組み

こんにちは、事務の藤枝です。

昨日の夕方、副園長と研修に参加してきました。
テーマは「子どもの社会性や感情力の発達とかかわり」です。
講師:法政大学文学部心理学科教授 渡辺 弥生 氏



最近よく、発達についてとか、発達支援とかそういうテーマを多く目にする気がします。
たまたまかもしれませんが。
ただ、近年、小学生の不登校が増加しており、年々深刻化しているといわれています。
では不登校の原因とはなんでしょうか?
なぜ昔より今の方が多くなっているのでしょうか?

 

本日の講師、渡辺教授はこう話しています。
それらの問題原因は複雑ではあるが、いい子や楽しいといった、
プラスのイメージを強制しすぎているんではないかといったことがひとつとして挙げられていました。
大人からの過度な期待が子どもたちを無理に頑張らせ、追いこんでいることがあると。
(ちなみに教授の発言と壱語一句同じになっているわけではありませんので、ご了承ください)

 

携帯電話を例にしたとき、携帯もパワーが減れば、一度充電をし、その結果パワーアップをしてエネルギーを取り戻す。
人もまた同じで、まったり、ゆっくり、だらだらしたいときがある。疲れたときは、のんびり一休みして回復させる。
そしてそのだらだらのおかげで、また元気をチャージして回復する。

 

疲れてしまう例えでこんなことも言っていました。
朝から元気に笑顔でおはよーって挨拶をする、朝食はふわふわのパンケーキ食べて、そしたらまた笑顔で美味しいー言って、、、、
こんな朝の風景は素敵です。でも、気持ちが毎日ハッピーとは限らないし、笑顔がでない日もある。朝ごはん食べたくない日だってある。
なのに、このハッピー感が強制されたらどう感じるでしょうか。
私ならば、ものすごくストレスになります。
そしてそれが正直に言えなく、無理に表現していたとしたら、心がどんどん疲弊していくのではないでしょうか。

 

まずは不登校の子どもたちにこのような感情があることをぜひ知ってほしいなと感じます。
そして、合間合間には≪まったり、ゆっくり、だらだら≫できる場所を大人が保障してあげてほしい。
そうすることで、子どもたちは感情のバランスをうまく保ち、学校生活を心身共に健康で送れるようになっていきます。

 

では、テーマの発達に戻ります。
子どもたちには様々な発達風景があります。
さあ、なぜ大人は子どもの発達を理解する必要があるのでしょうか。

 

それは、様々な年齢ごとの発達を理解できていると、子どもの成長が楽しくなるからです。
すると、どんな子どもの姿にも温かい眼差しを向けることが出来るようになると教授はおっしゃていました。

 

例えば、みなさんこんな姿は何歳くらいから見られると思いますか?
・鏡に自分の顔がうつっていて、それが鏡の中の自分だと理解できるのは何歳だと思いますか?
・うしろめたいって気持ちは何歳からわかると思いますか?
・人の話しをうなづきながら聞けるのは何歳からできると思いますか?
・嬉しいけど怖いっていう入り混じった気持ちを表現できるのは何歳からだと思いますか?
 等々

 

答えはそれぞれバラバラなので、興味がある方は調べてみてくださいね。省いてすみません。汗

 

ここで何が伝えたいかというと、大人になるまでに様々な心の体験をしているということです。
そしてたくさんの感情体験を経て豊かな感性や心が育まれているわけです。

 

そしてそれらの成長を支えるポイントがこれ!
≪応答あればこそ!≫です。
共感し、相手の発信に心を込めて応えることこそが、とても重要だとおっしゃっています。

 

中学生や高校生、大人にも同じことが言えます。
応答されるということは、自分に関心をもってもらえてる、向けてくれていると感じ、
生まれてきてよかった、ここにいて私はいいんだ、という安心感や自己肯定感につながります。

 

反応するというのは、体をそむけ適当にうんうんと頷く事とは全く違います。
例えば、電車で子どもが「ねえねえ、お母さんあそこに雲が見えるよ」なんて言ったとします。
お母さんは携帯画面に目を向けながら、「へえーすごいね」。
子どもはこういう適当さを次第に見抜いていきます。
すると、どんなことが起きるでしょう。
反応されたとは感じず、淋しさのような空虚感を感じていきます。
育まれようとした感情がそこで止まってしまうのです。

 

≪応答性+感受性=しなやかさ・やさしさ≫の図は真心があってこそ成立します。

 

ここでこういう言い方をする人がいるかもしれません。
“真心って言われてもさぁ、子どもの気持ちに全部本気で共感するってなかなか難しくないですか?”
はい、わからなくないです。
なので、初めに申し上げたこと。発達には様々な姿や事柄があることを知ってほしいんです。
様々な年齢ごとの発達を理解できていると、子どもの成長が楽しくなる。
すると、どんな子どもの姿にも温かい眼差しを向けることが出来るようになる。
すると応答が自然と心のこもったものになっていくんです。

 

ここで少し話を変えますね。
「リフレーミング」って言葉みなさんはご存じでしょうか?
リフレーミングとは、ある枠組みで捉えられている物事を枠組みを外して、違う枠組みで見ることです。
私もつい先日、社長にこの題材をもとに諭されたばかりです。。。汗
コップの中に水が半分入ってる、その状態をこれしかないと思うのと、半分もあると思うのでは大きく違う。
同じ物事でも、見方や感じ方が異なると短所にも長所にもなり、不幸にも幸せにもなる。というようなものです。

 

もしうちの子って本当に手が焼けて困っちゃうとか、クラスの○○くん、いつもイヤイヤとかふざけてばかりで困る。
そんな子がいたら、一度見方を変えて見てほしいんです。

 

分かります!そうはいってもさ、そんな風になかなかできないよ。はい、本当にわかります。

 

だから、まずは今日お伝えしていることを少しでも意識してくださるだけでいいんです。

例えば、自分が書いた絵をリビングに飾りたいとはなかなか思わないですよね?
美術館に 飾ってある美しく有名な絵画なら飾りたいと多くの方が思うと思います。
でもそこで、世界的美術館で使用されている貴重なフレームに自分の書いた絵をいれたらどうでしょう?
飾ってもいいななんて思いませんか?

 

フレームを変える=見方が変わる=接し方が変わる

 

こんな言い方もできます。
わがままな子=わがままの能力がある子

 

え、ちょっと無理やり過ぎない?ププWW  なんて笑った方もいるかもしれませんが、
そういう見方の替え方、プラスにする言い替え方がとても大切になんです。

 

例えばこれらはどんな言い変えが出来るでしょうか。
・無口な→
・けちな→
・涙もろい→
・でしゃばり→
・飽きっぽい→
・いばる→
・慌てんぼう→
・怒りっぽい→
・落ち込みやすい→

 

どうでしょう。
言い換えができたでしょうか。

 

・無口な→穏やかな
・けちな→倹約的、経済観念がある
・涙もろい→感受性が豊か
・でしゃばり→積極的
・飽きっぽい→切り替えがうまい
・いばる→向上心がある
・慌てんぼう→行動力がある
・怒りっぽい→情熱がある
・落ち込みやすい→真面目   等々

 

様々な言い換えがあるかと思いますが、こうした言い替えにより、
いいところを発掘→個性につながっていくのです。

 

感情は経験から学びます。
そしてインプットされてアウトプットすることで次第に獲得していきます。
自分の一言が子どもをつくる、相手をつくる、その一言を常に意識したいな…と感じる研修でした。

 

もっとたくさん書きたいことがありますが、あまり長いと読んでいただけなくなりそうなのでここらへんで。

 

読んでくださりありがとうございました。

ページトップへ